クラフトビールマニア CRAFT BEER MANIA

クラフトビールを"身近"で楽しみたい人のための専門ブログ。"広く浅く"を避け、出来るだけ"詳しく"情報発信します。

MENU

ブリュードッグ/『PUNK IPA』を飲んでみた

今日飲んでみたのはスコットランドを代表するブルワリー『BrewDog(ブリュードッグ)』のフラッグシップビール『PUNK IPA(パンクIPA)』です。

このビールがきっかけでクラフトビールが好きになった方も多ければ、クラフトビールマニアの方々で愛飲し続けている方も多い、世界的に愛されているクラフトビールの雄です。

f:id:t10617tt:20180106210940j:plainf:id:t10617tt:20180106211016j:plainf:id:t10617tt:20180106211059j:plain

△鮮明な水色バックが特徴のパッケージ。一見ビール缶には見えないデザイン。

本場アメリカでも日本でもIPA(インディアンペールエール)は特に人気のあるビアスタイルです。通常のビールよりも使用しているホップ量が多く、ホップ特有のアロマや苦みを十二分に楽しめるIPAですが、PUNK IPAはどんなビールなんでしょうか?

概要

醸造所:BrewDog(ブリュードッグ)

ブランド名:『PUNK IPA(パンクIPA)』

公式URL:https://www.brewdog.com/beer/headliners/punk-ipa

特徴①:『上質&芳醇なホップのアロマ』×『長く楽しめる香りの余韻』

特徴②:一般的なラガービールの40倍ホップを使用。苦みの強さ<香りの豊潤さ

特徴③:ホップのアロマだけでなく、飲んだ後に感じるモルトのコクも絶妙。

 

販売価格:385円

内容量:330ml

アルコール分:5.6%

原材料:麦芽・ホップ(Chinook, Ahtanum, Amarillo, Cascade, Simcoe, Nelson Sauvin)

色合い:クリアな黄金色

 

そもそも『IPA(インディアンペールエール)』ってどんなスタイル?

クラフトビールの中でも世界的に人気の高いビアスタイルで、通常のビールよりもずっと苦いため、最も印象に残るタイプ。他醸造所でもたくさんのIPAが作られております。

1700年代後半にイギリスの東に位置する醸造所でビールを生産していたジョージ・ホジソンという方が、当時イギリスの植民地であったインドで生活をしているイギリス人のためにビールを輸出し始めたのがIPAの歴史のはじまりです。

東インド商人がイギリスから何か月もかけてインドにビールを輸出する際、当然ですが長旅でビールの品質が悪くならないよう気を付けなければならないわけですが、IPAは通常よりもホップの量を増やすことで防腐効果を高めたそうです。

ただ、IPAだけが長旅に耐えられたビールであるという方も多いですが決してそういうわけではなく、黒ビールで知られているスタウトやポーターもこういった長距離輸出に耐えられていたそうなので、あくまで当時輸出に耐えられたビールの1種、と考えていただければと思います。

昨今は一般的なペールエールビールよりも『ドライ(辛口)』で『アルコール度数』が高いものがIPAとされています。

見た目

f:id:t10617tt:20180106215739j:plain

透明度の高い、とてもクリアな小金色です。泡は比較的立ちやすいですが、泡が多すぎると香りに蓋をしてしまうため、立てすぎに注意です。

のど越し

炭酸もアルコール度数もそこまで強くないので、比較的ゴクゴク飲めるビールです。苦味も実はIBU35(日本の大手が作るラガービールは20-25前後)とラガービールと比べれば高いですが、IPAとしてとてつもなく苦い!というわけではないんです。

そのためこのIPAはどちらかというと苦みやキレ以上に『フルーティなホップの香り』をとことん楽しむビールかと思います。ゴクゴク飲めちゃうのですが、グラスを口に近づけた際のファーストノートや、ある程度口に含んだ際に鼻から抜けるアロマを楽しみながら飲んでいただくのがベストです。

香り

ビターなグレープフルーツの香りが最も強く感じられます。柑橘系のフルーツの香りやシトラスも副次的に感じられます。

ChinookやCascadeなど『スパイシーなグレープフルーツの香り』が特徴のホップが使用されていることもあり、目が覚めるような芳醇なアロマに仕上がっています。IPAにおける香りの豊潤さで重要なのは、単一的な香りに偏らず複数の香りを複合的に感じさせて立体感のあるアロマを生み出すところと筆者は考えています。

(PUNK IPAの場合グレープフルーツの香りだけでなく、Amarilloなどシトラス系の香りも取り入れている)

総評

『芳醇なホップの香りをバランスの良い苦みとモルトのコクと合わせて楽しめるIPA』と感じました。

IPAといっても一括りにはできない程特徴が分かれていると思います。苦みやコクに重点を置いているものもありますし、とにかく香りにエッジを効かせたビールもあります。

その中でもPUNK IPAはIPAに求める苦みは十分ありつつ、苦すぎず、アルコールも強すぎず、モルトもしっかり感じられるなど、まずベースがしっかりしていてリピートしたくなるクセの無さを感じます。

その上で、アロマホップの香りがとっても芳醇で、口に含んだ後も長く余韻を楽しめるので見つけたらとにかく飲みたくなってしまう一品だと感じました。

ブルワリーであるブリュードッグの創立は実は最近で2007年とのこと。創業者のジェームズ・ワットさんが20代、若くして『大量生産されているラガーやエールに飽きた!』と採算度返しで作った経緯もあり、『規格外ビール』として洗練・完成されています。

こんな人/時におすすめ

f:id:t10617tt:20180106220054j:plain

大量生産のビールには無い芳醇な香りが分かりやすいため、クラフトビール初心者の方のエントリーとしても超おすすめです。またクセやくどさがそこまで強くないためよくクラフトビールを飲む方にもうれしいビールかと思います。

是非お試しください。