ロビンソン醸造所/『OLD TOM』を飲んでみた
今日飲んでみたのはイギリスの歴史ある醸造所、ロビンソン醸造所の黒ビール『OLD TOM(オールド・トム)』です。
中々日本の販売店で見かけることが少ないビールですが、170年も続く醸造所によって造られたイギリスで最も古く、有名なブランドとのこと。ビアスタイルはストロングエール。
△漆黒のパッケージにゴールド字がレトロでお洒落。可愛らしいネコのロゴの下には『THE WORLD'S BEST ALE』の称号が。
概要
醸造所:ロビンソン醸造所(Robinson's Brewery)
ブランド名:『OLD TOM(オールド・トム)』
公式URL:https://www.robinsonsbrewery.com/beers/old-tom
特徴①:『濃口ワイン系のモルト風味』×『かなりの高アルコール度数』
特徴②:黒ビールの中でも複雑な風味。チョコレートやポートワイン、胡椒の風味が感じられる。
特徴③:苦味は抑え目ですが、ストロングエールだけあって高アルコール!コクや風味を引き立てる強さ。
販売価格:470円
内容量:330ml
アルコール分:8.5%
原材料:麦芽・ホップ・糖質
色合い:黒
そもそも『ストロングエール』ってどんなビアスタイル?
黒ビールにも製造方法で大きく分けると2種類あります。
上面発酵(エール)と下面発酵(ラガー)の2種類ですが、ストロングエールは上面発酵(エール)のアルコール度数が高いものを指します。もちろん黒ビールだけでなく色は薄いものをゴールデンエールないしはベルジャン・ペール・ストロングエール、濃いものはベルジャン・ダーク・ストロングエールといいます。
どちらのタイプにせよローストされた大麦を使用して醸造されますが、OLD TOMのような黒ビールのストロングエールは、属に言う『スタウト』に近いものです。
※『ポーター』も近いのですが、よりアルコール度数が高いスタウトの方が近いです。
下面発酵のシュバルツやデュンケルとの違いはアルコール度数だけでなく、『口に含んだ後、どこで味わうビールか』という点にもあります。下面発酵のビールは喉越しを味わうビールに対して、OLD TOMのような上面発酵のビールは『舌』で味わうビールなんです。
ゴクゴク飲む、というよりはじっくり舌の上で転がしながらロースト感や黒ビール独特の風味を味わうイメージです。
見た目
見た目はこの通り、真っ黒です。透明度ゼロ。炭酸少な目なので泡た立ちにくいかと思います。黒ビールで有名なギネスはクリーミーな泡が特徴的ですが、OLD TOMもコクや風味を楽しむ上である程度泡を立てて飲むことをおすすめいたします。
のど越し
エールビール、特に黒ビールは他のビアスタイルもそうですが、ゴクゴク飲むというより舌の上で転がして味わうタイプのビールです。のど越し自体は角が丸く滑らかですが、口に含んだらまずは十分下の上で風味を味わってみてください。
ローストされたモルト、という言葉では表現しきれない味の移り変わりを体験できます。口に含んでから一瞬の間に①チョコレート→②ポートワイン→③胡椒というような流れで風味が変わる、というよりは複合的に感じられとってもおいしいです。
香り
ローストされたモルトの良い香りはもちろん楽しめますが、アルコール度数が高いこともあり、鼻から抜ける香りは口に含んで鼻から息をゆっくり吸うとワイン、ブランデーのような芳醇な香りが楽しめます。
総評
OLD TOMはイギリスに数あるビールの中でも歴史が古く、海外ではかなり知名度の高いビールです。
受賞も2018年までに2回しており、2005年にはCAMRA(Campaign for Real Ale)のベスト・ウィンター・エールに選ばれています。
※CAMRAはイギリスの消費者団体で、主にエールビールやりんご酒の販売促進と、伝統的なパブを守る活動をしている団体です。
2009年には別の賞も受賞しており、世界中のビールがブラインドテイスティングされ、世界一のビールを競うワールドビアアワードにおいて『ベストエール部門金賞』を受賞しています。すごいですよね。
世界に認められている黒ビールですが、筆者としては濃口のビールに慣れていない方には少し"個性が強すぎる"クラフトビールと感じました。
少なくとも一般的なラガービールやペールエールなどとは違い味が濃く、独特ですしなによりアルコール度数が高いので330mlでも人によっては飲みきれないかもしれません笑
ギネスや他の黒ビールにある程度慣れ親しんだ方であれば絶品。濃厚かつ複雑な味わいは病み付きになること間違えありません。
こんな人/時におすすめ
体も温まる上、じっくり飲むタイプのビールなので肌寒くなる秋口から冬にかけて飲みたくなるビールです。コクのあるビールや甘目のビールが好きな方はもちろん、ワインやブランデーが好きな方にとってもおいしく感じるビールではないでしょうか?
是非お試しください。